審美歯科のやり直し

当院へ来院していただく患者さんのうち、他院での治療のやり直し(やり変え)の頻度は比較的多いのですが、やり直しといっても大きく分けて2つのパターンに分類されます。
ひとつは、せっかく治療されたのですが満足のいく結果が得られず、治療後比較的短期間のうちに当院を来院され、治療に踏み切ったケースです。

例えば下記の症例のように、ラミネートベニアによる審美歯科修復を行った結果、充分な結果が得られず、オールセラミックによって治療のやり直しをさせていただいたものです。
 
before1 after1
術前(他院にて) 術後
術前、術後を比較すると、明るさと温もりを感じる口元となりました。


もう一つのパターンは用いた材料の特性による経年的変化が生じ、新たに、より良い材質に変更するためのやり変えを行うようなケースです。
下記の症例のように、経年的変化により摩耗、変色、歯質との境界面不適合が生じ、より審美的であり、強度(耐摩耗性)に勝るとされる材質(今回はE-max)へ変更をさせていただいた症例です。
今回の治療は左右の第一大臼歯です。
保険適応の材料で白く治療をされたのですが、もともとかみ合わせと食い縛りが、やや強い方なので、早期に磨り減って一部脱離してしまっています。
 
before2 after2
術前
約3年ほど前の治療だそうです
術後
E-maxで治療いたしました

これらのように同じ「白い歯」「審美歯科」と言っても、材料や考え方が日々進歩しております。同じようなお悩みをお持ちの方は是非ご来院ください。
水曜日限定(要予約)の無料相談をご利用いただければ、気軽にご相談いただけます。

 

今日の歯科材料

今日の歯科材料は日々進化を続けています。
従来の審美歯科の主流はメタルボンド(陶材焼き付け鋳造冠)でした。
そこへ十数年前、金属を使用しないセラミックとしてアルミナオールセラミックが登場し、メタルボンドはその主役の座を奪われました。
その後、アルミナオールセラミックの強度的問題を解決したジルコニアオールセラミックが登場し今日ではこれが主流となっています。
一方、部分的な審美的修復材料はセラミックとレジン(合成樹脂)が、現在も多く用い続けられています。耐摩耗性や耐久性、破折強度、曲げ強度など一長一短ある中で、歯科医師が患者さんにとってふさわしいと思われるものを選択して使用してきました。
近年、二ケイ酸リチウムを主成分とするe-max(イーマックス)と言われるセラミックが登場し注目を集めています。
e-maxは従来のセラミックとレジンの欠点を補った(程よい硬さで割れにくく、かつ変色しない)材料と言っていいでしょう。
当院ではこのe-maxを含め、各種材料を当院技工士および外注委託技工士などと、考察し検証を重ね、患者さんのご要望と口腔内のかみ合わせの状態等を考慮し、もっともふさわしい方法をご提案し、安心してご使用いただき喜んでいただけるように心がけております。

>>e-maxの症例はこちら
 

私の師匠のことば

私が師と仰ぐ先生のおことばに次のようなものがあります。それは、 「立ち食いそばを食べたい人には、心のこもったあたたかいそばを食べさせてやりなさい。そばの食べたい人にどんなに腕をふるってフランス料理のフルコースを提供しても、決して喜ばないよ。」と。 とかくわれわれ医療人はベストの方法すなわち、患者さんにとってもっとも良いと思う方法を選択したくなります。

当然、われわれは専門家ですから患者さん方に患者さん方の知らない、いろんな考え方、治療方法を情報提供する義務と患者さん方の主訴を改善するする義務とがあります。

しかしながら、時として一生懸命しようとするあまりオーバートリートメントとなってしまう危険があります。

そうなると、「どこそこの歯医者で、痛くもない歯を抜かれた、削られた。」ということになってしまうのです。

いついかなる時でも、インフォームドコンセント(患者さんの治療に対する理解と協力)をきちんとしなければいけないという、私の師匠の教えです。

矯正かクラウンか?

われわれ歯科医の基本的概念は「できるだけ歯は削らない、抜かない。」とおもっています。削らずに患者さんの主訴を改善できるならば、そうすべきですし、抜かずに保存できる方法があればそれも当然です。しかし歯を削らない、抜かないということによって、患者さんの主訴の改善の大きな弊害となるような時は例外です。また別の例として、歯を削らずに矯正治療などで改善できるような症例でも、患者さんが矯正治療を望まないようなケースでは「削らない、抜かないがベスト」とは言い切れないでしょう。

たしかに歯は削らないほうが長持ちするでしょう。ただそれだけで矯正治療のほうがいいという考え方は我々歯科医の偏見なのかもしれません。(以前は私も矯正治療を優先するという考えでした。)

矯正治療中の審美的な問題、治療期間の長さ、治療期間中の歯や歯周組織のブラッシング管理の難しさ等々を考えますと、前述の師匠のことばで述べましたように、矯正治療を否定することはないですが、以前のように矯正治療がファーストチョイスとは考えず、患者さんの意向に沿った治療をと考えております。

すなわち、矯正治療の長所短所、矯正治療を行わずにクラウンによる治療を行う場合の長所短所をお話して、治療方針を決定いたします。

歯ぎしりとナイトガード

患者さんの多くに「あなたは歯ぎしりをされてますね!」というと「いや、私はそんなことしていない!」とおっしゃる方が非常に多いんですが、統計によるとほぼ100%の人間が歯ぎしり、喰いしばりを夜間就寝時にしているといわれています。患者さんがおっしゃる「していない!」というのはギリギリと音を立て、ご家族に「うるさい!眠れない!」と言われるような歯ぎしりを指してのことと思います。

多くの方はさほど気にされなくても良いかと思いますが、ひどい方になると
1) 朝起きると歯が浮いた感じがする。アゴが痛い。
2) 歯の詰め物がよくとれる(脱落する)。
3) 歯が欠ける。
4) 最近、むし歯でもないのに、歯がしみる。
などの症状はありませんか?

原因としては、子供のころからの習慣的なものから、悩み・不安からくるストレスなどさまざまです。

おもしろい話ですが、子供のころからの歯ぎしりの習慣は長男、長女に多く、次男次女、それ以降には少ないといわれています。これは子供のころの「しつけ」のなかで、「おにいちゃん、おねえちゃんは我慢しなさい!」のような子供なりの欲求不満、ストレスを感じたせいだといわれています。

そこでご家庭での歯ぎしりチェックをしてみてください。
ご自分の上下左右の糸切り歯の先端が、言葉の由来のごとく、糸が切れるくらい先端がとがっていますか?

もしこの糸切り歯が平らにすり減っていたら(ほかの前歯のように先端が平らなら)、あなたは歯ぎしりをされていますよ! 歯ぎしりはひどくなると、歯や歯ぐきに悪影響をもたらし、歯の破折、かぶせ物、詰め物の脱離、むし歯の再発、歯周病の進行、顎関節炎などいろんな問題をおこします。

歯ぎしりそのものを、防止することは難しいことですが、それによる悪影響を最小限に食い止めることは可能です。保険適用のスプリント(ナイトガード)を使用されてはいかがですか。歯やアゴに痛みを感じる時などは非常に効果的です。