患者さんの多くに「あなたは歯ぎしりをされてますね!」というと「いや、私はそんなことしていない!」とおっしゃる方が非常に多いんですが、統計によるとほぼ100%の人間が歯ぎしり、喰いしばりを夜間就寝時にしているといわれています。患者さんがおっしゃる「していない!」というのはギリギリと音を立て、ご家族に「うるさい!眠れない!」と言われるような歯ぎしりを指してのことと思います。

多くの方はさほど気にされなくても良いかと思いますが、ひどい方になると
1) 朝起きると歯が浮いた感じがする。アゴが痛い。
2) 歯の詰め物がよくとれる(脱落する)。
3) 歯が欠ける。
4) 最近、むし歯でもないのに、歯がしみる。
などの症状はありませんか?

原因としては、子供のころからの習慣的なものから、悩み・不安からくるストレスなどさまざまです。

おもしろい話ですが、子供のころからの歯ぎしりの習慣は長男、長女に多く、次男次女、それ以降には少ないといわれています。これは子供のころの「しつけ」のなかで、「おにいちゃん、おねえちゃんは我慢しなさい!」のような子供なりの欲求不満、ストレスを感じたせいだといわれています。

そこでご家庭での歯ぎしりチェックをしてみてください。
ご自分の上下左右の糸切り歯の先端が、言葉の由来のごとく、糸が切れるくらい先端がとがっていますか?

もしこの糸切り歯が平らにすり減っていたら(ほかの前歯のように先端が平らなら)、あなたは歯ぎしりをされていますよ! 歯ぎしりはひどくなると、歯や歯ぐきに悪影響をもたらし、歯の破折、かぶせ物、詰め物の脱離、むし歯の再発、歯周病の進行、顎関節炎などいろんな問題をおこします。

歯ぎしりそのものを、防止することは難しいことですが、それによる悪影響を最小限に食い止めることは可能です。保険適用のスプリント(ナイトガード)を使用されてはいかがですか。歯やアゴに痛みを感じる時などは非常に効果的です。